TECHNOLOGY 技術紹介
【Unitree G1×LeRobot】模倣学習を実機検証!unitree_lerobotによるアーム動作の学習・推論手順(ACT / π0.5比較)
【※この記事は2026年7月時点の情報に基づきます。】
はじめに
◆ 背景
今回は、Unitreeのヒューマノイドロボット「G1」で模倣学習を行えるオープンソースプロジェクト「unitree_lerobot」を試してみました。
模倣学習とは、人がロボットを操作したときの動きをデータとして記録し、そのデータをもとに、ロボットに同じ作業を学習させる方法です。
動作を一つひとつプログラムするのではなく、人の操作を「お手本」として学ばせる点が特徴です。
今回の検証では、G1の操作データをLeRobot形式に変換し、模倣学習モデルを学習させた環境構築や学習の手順、動作結果についてご紹介します。
◆ unitree_lerobotとは?
unitree_lerobotは、Unitree製ロボットで収集したデータを、Hugging Faceのロボット向けオープンソース基盤「LeRobot」で学習・検証するためのプロジェクトです。
データの変換からAIモデルの学習、実機での動作確認まで、一連の流れに対応しています。
今回やったこと
◆ 使用ツール・実行環境
■ 操作・データ収集用PC:Ubuntu24.04 ノートPC
■ 学習用GPU:Vast AI(A100 80GB)
■ 検証機体: Unitree Robotics G1 (23関節 ハンドなし)
■ 推論PC:
・ACT → Ubuntu24.04 ノートPC
・π0.5 → NVIDIA Jetson Thor
◆ 事前準備
■ xr_teleopを使用し、上半身の動きのデータセットを作成
(xr_teleop v1.5を使用し、VRデバイス「PICO」で構築)
■ データセット
・タスク内容:G1のアームを動かし、白い机に置かれた赤い色紙の上にある「黄色いコップ」を前方の白い面に押し出す作業
・エピソード数:70エピソード
※データセットの可視化は、Hugging Face Spaces(lerobot/visualize_dataset)にて確認可能です。
https://huggingface.co/spaces/lerobot/visualize_dataset?path=%2Fhinoarashi%2Fslide_cup_red_to_white%2Fepisode_0
■ セットアップ手順
① constants.pyに「29関節ハンドなし」および「23関節ハンドなし」の設定を追加します。
② xr_teleopで作成したデータセットをLeRobot形式に変換し、Hugging Faceへアップロードします。
③ Vast AI上で、unitree_lerobotのデフォルト設定である「LeRobot v0.4.1」環境を使用して学習させました。
■ 学習条件(ステップ数)
・ ACT 100K
・ π0.5(pi0.5) 10k
結果
①29関節ハンド無しのデータセットで学習させた場合
左手は上手く動作するものの、右手の動作が上手くいかない現象が発生しました。
原因を調査した結果、G1(23関節)のアームデータ10個を、14個存在するものとして無理やり前から7個、後ろから7個抽出していることがわかりました。
アームのデータを正しく補正し、再度学習を行いました。
②23関節ハンド無しのデータセットで学習させた場合
■ ACTでの結果
データ補正後、両方のアームで正しく動作できるようになりました。
さらに、推論PCに「Jetson Thor」を使用することで、推論処理と実機の動きが速くなりました。
■ π0.5(pi0.5)での結果
こちらも両方のアームで正しく操作できるようになりました。
今回のコップを押し出すという比較的簡単な動作においては、ACTと比較しても精度面でそこまで大きな差異は見られませんでした。
やってみてわかったこと
今回の検証を通してわかったポイントと今後の課題です。
■ LeRobotのバージョンについて
今回の検証ではunitree_lerobotが採用している「LeRobot v0.4.1」を使用しました。
最新の「LeRobot v0.5」以降でそのまま動作するかは現時点では不明のため、今後の検証が必要です。
■ 動作範囲の制限について
今回の手法は、上半身のみの動きを学習させる形になります。
そのため、足腰を含めた全身の模倣学習を行うには、強化学習など別の方策を組み合わせる必要がありそうです。
■ 上半身の模倣学習の実用性
上半身のアーム動作のみであれば、今回検証した「unitree_lerobot × xr_teleop」のフローで十分に再現・学習できることが分かりました。
おわりに
今回の検証によって、Unitree G1のような最新ヒューマノイドであっても、オープンソース(LeRobot)やエッジAIボード(Jetson Thor)を組み合わせることで、手軽に実用的なアーム動作の模倣学習を行うことができました。
今回は単純な運動学習でしたが、VLM(ビジョン・言語モデル)と組み合わせることで、例えばですが、「赤くて丸い物体を箱に入れて」といった自然言語指示に応じた高度な汎用タスクへの応用が期待されます。
ヒューマノイドロボットの実用化は着実に身近なものになりつつありますが、今後もLeRobotのバージョンアップや新モデルの登場に注目しながら、検証していく予定です。
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