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「シミュレーションから現実世界へ!国産四脚ロボット開発の現場から」

(2025年5月21日現在の記事です。)

ロボット開発では、シミュレーションと実機テストの間に立ちはだかる大きな壁、「Sim2Realのギャップ」が課題となります。
クフウシヤでは、「NVIDIA Isaac Lab」と「Genesis環境」を活用し、国産四脚ロボットの開発を進めています。


Sim2Realと開発体制

Sim2Realとは?

ロボット開発では、初期段階から高価な実機を用いたテストは難しいため、仮想環境での動作検証が欠かせません。
Sim2Realとは、仮想環境上でAIアルゴリズムを用いてモデルを訓練し、その学習済みモデルを実機に適用する技術です。
これにより、コスト削減・開発スピード向上・安全性確保に貢献できます。

Sim2Realの仕組み

しかし、現実世界では、摩擦、センサー誤差、ハードウェア特性など、シミュレーションでは再現しきれない要素が多く存在します。
これにより、「シミュレーションでは動くが実機では動かない」という問題が発生します。
この「Sim2Realのギャップ」をいかに埋めるかが、実用化への鍵となります。

Isaac Labでのシミュレーション

Isaac Labとは、NVIDIA社が提供するロボット開発用シミュレーションプラットフォームです。
高精度な物理エンジンとリアルなセンサーシミュレーションが統合されており、現実に近い物理挙動の再現が可能です。
強化学習や模倣学習との親和性が高く、 大規模な並列シミュレーションによる学習が行えます。

Isaac Labの画面

Genesis環境にて、Isaac labで学習したポリシーを自社開発の四脚ロボットに適用し、仮想環境上で歩行テストを実施します。
実環境に近い物理設定や複雑地形モデルを備えており、実機適用前に事前にSim2Simテストにて、
高精度な歩行性能評価を行うことで、ポリシーの検証を安全に行えます。

Genesis環境でのシミュレーション

国産四脚ロボット開発の進捗

2025年GW期間で、イテレーション40万回を実施した強化学習モデルを作成しました。
学習結果は、こちらのとおりです。

 ✔約5cmの段差は安定して登降可能。
 ✔それ以上の段差は、後ろ向き動作なら一定の成功率で降りることが可能。
 ✔ 登りは、前脚先端が蹴込み板に引っかからなければ登れる可能性あり。

イテレーション40万回を実施後

Sim2Realの上記プログラムで、クフウシヤのオリジナル国産四脚ロボットにて実機テストを行いました。
初回に現状ポリシー適用時には振動気味でしたが、制御ゲインの調整などを行い、バランスを崩しても立ち直る動作をするようになりました。

より複雑な作業補助が可能になることで、サービス現場での人手不足の解消を目的としています。

Sim2Real上のプログラムによる実機テストの様子

引き続き、実機へのスムーズな移行を目指し、開発を継続しています。


おわりに

クフウシヤでは、四脚ロボットの社会実装に向け、公共インフラ点検・工場内・災害対応・警備など様々な分野での実証実験を行います。
四脚ロボットをはじめとする新しいロボットの実現に向けて、PoCをご検討の際は、ぜひお気軽にご相談ください。
明るく前向きにクフウして、次の一手をご提案します

クフウシヤYouTubeチャンネルにて、国産四脚ロボット開発の様子をご覧になれます。

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