

WORKS 導入事例
ヒューマノイドが「歩き方」を独学する瞬間!
(2025年8月28日時点の記事です)
■ ヒューマノイド開発の最前線
毎週のように、新しい動きをするヒューマノイドの動画が世界中を賑わせています。
私たちクフウシヤも、この大きな潮流のなかで、ヒューマノイドロボットの実用化に向けた研究開発をしています。
前回の記事(2025年6月11日)では、ヒューマノイドとフィジカルAIについて、当社の取組みを紹介しました。
現在は、 仮想空間内でヒューマノイドに歩行を学習させる中で、
AIが強化学習によって「歩き方」そのものを習得していく過程を目の当たりにしています。
クフウシヤでは、2025年3月18日にNVIDIAが発表したヒューマノイド用のロボット基盤モデル「Project GR00T¹」(参考1)のような、世界的な開発の加速化を支える技術トレンドと足並みを揃えています。
「ロボットが歩くのは珍しくないのでは?」と思われるかもしれません。
しかし、事前にプログラムされた動きを再生するだけの歩行と、AIが自ら試行錯誤して歩行を「習得」するのでは、現場での実用性に大きな差が生まれます。

現場で必要とされるのは、単なる歩行ではなく、予期せぬ変化に対する「頑健性(ロバストネス)」を備えたヒューマノイドです。
工場や倉庫の床にあるわずかな段差やケーブル、水濡れなど、現実の現場で起こる不測の事態に、プログラムではなくAIの「経験」で対応させること。それがゴールです。
■ 開発現場のリアル
まず、NVIDIAのシミュレーター 『Isaac Lab』 内に、ヒューマノイドを「召喚」することから始まります。

次に、強化学習で「歩行知能」をインストールしていきます。
学習を開始し、16,000イテレーションを過ぎたころ、ヒューマノイドは自らバランスをとり、おぼつかないながらも前に進むことができるようになりました。
まだまだ、安定した歩行への道のりは長いです。試行錯誤・クフウしながら、研究開発を進めています。
先日は、このような課題がありました。
Unitreeの初期設定のリポジトリでは29自由度(自由に変動できる関節の数が29)でしたが、
現在クフウシヤで開発中のヒューマノイドは23自由度(自由に変動できる関節の数が23)。
Unitreeのリポジトリに23自由度用の設定がなかったため、独自開発にトライしましたが、なかなかうまくいかないという壁に直面。。
解決策を求めて、Unitreeのオープンソースリポジトリ(unitree_rl_lab)にもIssue(課題報告と質問)を投げました。
すると、開発者から直接返信があり、23自由度に対応するためのヒントとなるコードを提供してもらうことができました。
https://huggingface.co/datasets/unitreerobotics/unitree_model/tree/main/G1/23dof
このようなオープンなコミュニティとの連携も駆使しながら、私たちは日々課題を解決し、開発を前進させています。
パラメーター調整を行い、ついに、23自由度でも歩行学習ができるようになりました!
現在のSim2Simでは、このように歩行することができるようになりました。
さらに、Sim2Simで歩行を学習したG1ロボットを、Sim2Realで歩行検証した様子です。
現時点では、ジョイコンを倒したときの角度に対してG1ロボットの動きが過敏すぎるため、操作が難しい等の課題があります。
引き続き、研究開発に取り組みます。
Isaac Labを使えば、数千もの環境を同時にシミュレーションし、現実世界の何百倍もの速度でAIに学習経験を積ませることが可能です。
このスピード感が、ヒューマノイドロボット実用化に向けての研究開発を加速させています。
■歩行知能に、「課題」も学習させてみる
クフウシヤが今、研究している歩行知能は、汎用的な基盤技術です。
クフウシヤでは、Isaac Lab内に作業現場を忠実に再現した「デジタルツイン」を構築することができます。
そして、今回ご紹介した「歩行知能」をベースに、VLA(視覚言語行動モデル)のような最先端のAIを組み合わせることで、企業固有の課題解決を目指します。
例えば、「あの棚にある赤い箱を取って」といった人間の曖昧な言葉をカメラ映像から理解し、自律的に作業を行うフィジカルAIの開発も現実味を帯びています。
仮想空間での検証なら、高価な実機導入のリスクを冒すことなく、ヒューマノイドが貴社の現場でどれほどの価値を生み出すかを極めて具体的にシミュレーションすることが可能です。
私たちのPoC(実証実験)にご興味をお持ちいただけましたら、ぜひお気軽にご相談ください。
「VLA」「フィジカルAI」についての記事はこちら
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